観光を支援につなげる取り組みが必要

被災地観光は迷惑か?

被災地を旅する――これもひとつの被災地支援のかたちといえるでしょう。
しかし、わたしたちの頭にふとよぎる思いとして「被災地を見てみたいけれど、被災者の方たちの迷惑になってしまうだろうか…」というものがあると思います。
果たして被災地観光は本当に支援になるのでしょうか?
それとも、被災者の迷惑にしかならないのでしょうか?

迷惑にならない、有意義な観光づくりを

現実問題として、被災地の宿泊施設はまだまだ予約が取りにくい状況にあります。
保険調査や建設、マスコミ関係者などの現地入りが続いているためです。
また、地震から5ヵ月以上が経過しようとしていますが、「復興」を大きく掲げてPRするには、未着手の問題が山積みになりすぎています。
海外では、災害などにより甚大な被害を受けると、観光ではどう見せていけばいいのかを最初の段階から考えて復興計画を練ります。
しかし、その点において日本はずいぶんと遅れているため、今回の熊本地震を観光とどうつなげていくかという視点が欠けていると言わざるを得ないのが現状です。
これは行政側の課題点であり、これからの復興を力強いものにするためにも、観光的視点を意識したしくみづくりが急務であるといえます。

被災地観光として期待されるもの

熊本城や古民家が並ぶ街道など、熊本には魅力的な観光スポットがたくさんあります。
文化的価値の高いこれらの建造物も、熊本地震によって大きな被害を受けました。
復旧の早かった熊本市周辺を観光することは十分可能なので、これら建造物の現在の状況や様々な歴史、修復の予定などを案内してくれる人を配置すれば、観光はとても有意義なものになります。
また、これまで地震が少なかった熊本では、自治体の対応の遅れや準備不足が目立ちました。
個人や企業から贈られた応援物資が配給されることなくいまだ山積みになっていたり、罹災証明をなかなか発行してもらえないという不手際も発生しています。
被災地を観光するにあたって、こういった「負の遺産」も知ることができると、これも非常に意味のあることとなります。
負の遺産の情報を観光客が持ち帰り、それぞれの自治体で有事に備える布石にすることが可能だからです。
被災地の今をよりよく伝えるために、熊本県に期待を寄せるところです。