「熊本地震」家屋の倒壊から見えたもの

2016年7月17日。
熊本地震から三ヶ月が経ったこの日、NPO団体による熊本地震報告会が行われ、現在の熊本の状況とその問題点について話し合われました。
時間の経過と共に熊本地震の報道は少なくなりつつありますが、現地はもとの生活を取り戻せているわけではありません。
熊本地震によって被災地ではどのようなことが起きたのでしょうか。

予想外の場所での家屋倒壊

熊本県内の地震危険区域とされていなかった場所で家屋が倒壊するという事態が起きました。
驚くことに、これは建物自体の強度とは関係がなかったのです。
確かに現在の耐震基準を満たした建物であれば安全性は高いのですが、今回の地震ではそういった建物が多い住宅街の家並みが、土台から切り離されるようにして軒並み倒壊した例がありました。
これは、地震に対しての強度というものが家屋単体で決まるものではないということを示しています。
つまり、家屋がどういった地盤の土地に建っているかで家の安全性や強度も大きく変わってくるということです。

熊本城だけではなく城下町も

地震直後の報道で、熊本城の惨状を目にして胸を痛めた方も多かったのではないのでしょうか。
しかし、今回の度重なる地震によって、城下町も多大な被害を受けたことについては、残念ながらあまり知られていません。
古くは明治時代に建てられた文化財も多く並ぶ城下町では、修復も不可能なほどに崩壊してしまう建造物も出てしまうなど事態は深刻です。
それでも、個人所有である建物も多いために、熊本城のような公的支援や寄付金を期待できないのです。
そのため、城は残っても城下町は消えるのではないか、その瀬戸際にあると憂慮されています。

今後の課題

熊本地震によって今まで危険指定されていなかった場所でも家屋の倒壊が起きたことにより、既存のハザードマップや危険予知情報の不十分さが明確になりました。
地震によって土地が動いてしまう現象も起きている中、土地の所有権という点でもこれまでの価値観でははまり切らない事態も起きていると言えます。
また、個人が所有するものの中にも日本の大切な財産と言えるものは少なくありません。
そのような有形財産をどのように守っていくのかも今後の課題となるでしょう。